:level
プテラノドン


わたしたちが会っていた時間は短かった。
日焼けした太腿をさすりながら眠る彼を見ながら
わたしはビールを飲んでいた。
夢の中で私の頭を撫でているかどうか
確かめられたらいいのに
一人きりでは夜が明けないといっても。

暗闇のなか手探りで探す手つきは
「鍵盤を探す猿みたいに。」だなんて、イカレてる。
苛立たしさからか彼は―それがどうであれ
私の身体を気づかってくれた、
わたしは好きでここに居るのだから
気にしなくていいと言った。

「身を固める」とはどういうことか考える。
逃げ場をなくすのが最善策。
昔からずっとそうだった!
どこで誰と飲んでいようとも頭にあるのは、
そのことだけ。放置された野外プールから
蜻蛉が孵化する。

長生きするためのスローライフ。ボーカル不在の
コーラス隊、金くれ、金。
半世紀の時をかけピカソは九人の女を愛した。
試行錯誤の末の、覚悟とはいかなるものか。
空き缶みたいに潰せるか。ベッドの上で。


自由詩 :level Copyright プテラノドン 2012-08-25 03:15:17
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