さいごこの世で
吉岡ペペロ

どんなひかりになにを見つめていたのだろう

彼女をさいごこの世で彩ったひかりたちに

なんどもなんども

ありがとう言いながらぼくは震えている


髪の毛の生えていない頭にかぶっていた帽子が柩に納められていた

月並みだけれど涙があふれた

警察から聞いた話では彼女は猪苗代湖畔を楽しそうに旅していたそうだ

彼女が楽しそうに旅をしていたのを警察は誰かから聞いてくれたのだ


どんなひかりになにを見つめていたのだろう

彼女をさいごこの世で彩ったひかりたちに

なんどもなんども

ありがとう言いながらぼくは震えている







自由詩 さいごこの世で Copyright 吉岡ペペロ 2012-08-16 13:16:32
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