風がもどかしかった
吉岡ペペロ



病室から行方不明になった彼女は

十日後福島県猪苗代湖畔で死体となって見つかった


目の前を木々の葉が揺れている

風がもどかしかった

空には当たり前のように雲と白くかすんだ水色

ぼくはひとのためになにが出来るだろう

あらゆる因子が成長していた

それをとめることなど出来ないだろう

あなたのたましいが死の刹那

なにを感じなにと出会いなにを大切だと思ったのか

ぼくは生きながら考えてゆきたい


病室から行方不明になった彼女は

十日後福島県猪苗代湖畔で死体となって見つかった


携帯写真+詩 風がもどかしかった Copyright 吉岡ペペロ 2012-08-15 14:17:01
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