逝く夏
北大路京介


夏の日の宇宙の深さ星の数

冷房費払うつもりで夏カジノ

チョコアイスとけきってまだ愛されず

夏館ネコがいっぱい出るテレビ

八月を生きるしかない黒揚羽

炎帝を飲み込みサザンくちずさむ

グリーンにのらずに落ちた晩夏かな

盆踊り返り討ちにぃしてくれる

Hofnerのベース弾く嫁指涼し

目隠しとディレイをかけた蝉時雨

薄い本薄い本あり夏コミケ

辱暑かな医者と患者が殴り合い




夏痩せや死ぬことなんて怖くない

しわしわの細くなった手夏惜しむ

目の見えぬ人に手を振る夏の果



俳句 逝く夏 Copyright 北大路京介 2012-08-13 22:02:52
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