八月の蝉時雨
kauzak

蝉時雨が聞こえない夏

外を出歩いていないから
なのだろうかそれとも

夏の暑さは茹だるよう
確実に季節は巡る

けれど蝉の声に存在感がない

これは何だ
聞こえているのに感じていない
麻痺しているのだ

麻痺している部分が
分からなくてもどかしい

蝉時雨を浴びていない夏
僕は取り残されてしまった

積乱雲も強い日差しも
色あせてしまう


自由詩 八月の蝉時雨 Copyright kauzak 2012-08-11 23:59:04
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