メルヒェノルガン
六崎杏介

 1
電球頭とオルゲン 下弦の夜に光る雨陰
0朱-音霊韻に道化るアルゴン時計は
針ニ非ズのラマーズ刻みのマルス避け
星がお留守の空に電球頭が
全ての(オール)銃(ガン)を撃ち込んだ、銃声!
途端一斉にレールを降火してくる火霊の御子達
ゴールは電飾細工の銃身パイプオルゲンにて!
アルゴン時計を掲げた電球頭と
賛美歌を鳴らし続けたオルゲンは後日
結婚して子も授かったそうだ、喝采!


 2
鉄パイプの指揮者が廃汽車を叩き
寒梅を燐寸で燃やす夜空の
下弦に当てる弓の加減を指示している
電顔のオルゲンの明滅が
降る雨と密談 +三つの銃弾
雨が火を消したのち
最初に雲を、次に月を
最後に指揮者を撃ち殺した
電顔のオルゲンは鉄パイプを自身に刺すと
ゆっくりと歌いだした
そのパイプオルガンの葬送曲を
星空が包装した。


自由詩 メルヒェノルガン Copyright 六崎杏介 2004-12-12 06:23:39
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