カキ氷
nonya


ひんやりと
乙に澄ました器に
シャキシャキと
君が
降り積もる

すでに膝小僧が
溶けかけていた
僕は
やんちゃな眼差しで
それを見守る

じんわりと
熱を帯びた午後に
スワスワと
君が
山盛りになる

からくも唇だけが
焼け残っていた
僕は
いたずらなスプーンで
それを掬う

きいーんと
走り回る頭痛に
顔をしかめる
僕を

可憐な
イチゴ色に染まった
君が
ひんやりと笑った




自由詩 カキ氷 Copyright nonya 2012-08-09 19:52:08
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