ダウナー詩人の皆さん、
もはや自分嫌いは廃れた文化であります。
これからは粉骨砕身、
慎重に言葉を選びつつ、
適度に自分を愛し、
誰の目にも分かりやすいよう
人を愛さなければなりません。

まっこと、生き難い時代の到来です。

分かりやすくなければ素直でないと、
一体誰が決めたのでしょう。
明るくなければポップではないと、
一体誰が決めたんでしょう。
まっすぐでなければ一途ではないと、
一体誰が決めたんでしょう。

明るい歌に順応できず
かといって人が歌う類語だけでは満足できず
自分の中にあるリズムで
自分にとっての正しい言葉で
或る対象を皮肉ることでしか
自分の居場所を用意できない
自分の存在を主張できない
そういう一途さもあるんです。

撫でられて尾を振り
褒められて鼻を高くし
その感触に取り憑かれた猿公のように
公開自慰を繰り返す
そういう純粋さもあるんです。

共感できないことを恥じ
わだかまる何かを感じながら
必死に知ったかぶりをする
誰かが一辺倒に燃やした情熱の裏で
灰だらけになっている
そういうポップだってあるんです。

自嘲自虐を哂うのは
貴方も通ったからでしょう。
傍観役に徹しているのは
貴方も知ってるからでしょう。

ネガティブであるからこその
ポジティブだってあることを。
伝わりやすい言葉だけでは
伝えられない想いがあることを。


折り目正しく生きましょう。
右に倣わず、十人十色に、
模範の奴隷になりましょう。
星の数だけ、そうなりましょう。