足りない
もっぷ

張り巡らされた鉄条網に
体当たりでぶつかっていって
やっと出口と思っていた

からだから滴っているのは
紅い色した言葉の絶叫
纏ったままで視界にみたのは
さらに取り囲む鉄条網

なぜわたしを
なぜそんなに
なぜかまうの

たとえ痛みもってしても
わたしは
きっと
出る

このなか
(鉄条網のなか
では決して産み出せるものなんてない

知ってた?

今度は雹での包囲のつもりらしい
どこか近いところでの落雷とともに

いったい誰の意思?

何を企まれていても
何で阻まれていても
わたしは
出る
ここ、
から
こんな陳腐な四百字詰め原稿用紙では
描ききれない想い
懐いて
きっと!


自由詩 足りない Copyright もっぷ 2012-08-08 05:18:39
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