海面上昇 10
rabbitfighter



僕たちは毎日穴を掘る
いつか
自分自身を
埋葬するための

君のその穴は
十分な深さか
君自身を
埋葬するために

その穴を埋めるのは
我々の仕事だ
君を
埋葬するのは

その穴を埋めるのは
我々の仕事だ
君を
埋葬するのは



眠りは
浅く
呼吸は
深く
鼓動は
早く
埋め尽くされた静けさの耐え難い叫び



地球の大きさを測るために
君には太陽が必要だった
その過程で君は
地球と太陽の距離を知る



叫び声が
風に運ばれて
遠いところで
静かにささやく
元の意味を失って
ただ美しさだけが残る
光のように
声は
質量を持たない

5、6



君のその穴は
十分な深さか
君自身を
埋葬するために



いつか
海が全ての平野を覆い
波が丘を
削り取ればいい
僕たちが穴を
掘らなくてもいいように



宇宙に浮かぶ
小さな水の球は
どんなに明るく
日の光を照り返すだろう

10

そうして鳥よ
その海の上を
絶え間なくまわれ

高く
速く
絶え間なく
まわれ


自由詩 海面上昇 10 Copyright rabbitfighter 2012-08-06 03:35:13
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