ラット
シホ.N


僕はラット
科学とやらに
利用され
数字になって
グラフになって
それでも名も無く
ひとつのすてごま

モノを扱うヒトの手
神の手
ヒトでもモノでも
ない命として
ガラス箱の中でさえ
観察物にされてさえ
生かされてる意味

被験後の
余りの生は
保障もなく
ふと気をぬくと
呼吸も拍動も
止まるくらい
僕の身は退廃している

僕はラット
使われ
試され
ヒトのため
名も無き生を
たどることの
名状しがたさ



自由詩 ラット Copyright シホ.N 2012-07-30 17:27:04
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