ジブン ( ヒト )
nonya


弱さを強さで
コーティングした
直立二足歩行の木偶の坊

愚かさを優しさで
マスキングした
なんとなく文化的な唐変木

心という
自滅回路の中で
思い上がっては落ち込んで

欲という
無限軌道の中で
毒を喰らっては毒を吐き

あらゆるものに
名前をつけたがり
あらゆるものに
値札をつけたがり
あらゆるものに
裏地をつけたがり
あらゆるものに
好きと嫌いの
キリトリセンをつけたがり

ありもしない
ジブンらしさという希少鉱物を
探し求めているうちに
みるみる劣化して

つかめもしない
夢や希望や奇跡という上層雲を
追い掛けているうちに
あっという間にいなくなる

それが
ジブンというヒトだ




自由詩 ジブン ( ヒト ) Copyright nonya 2012-07-21 12:03:33
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