田園


しとしと、と梅雨の残り香が降っている。
季節はもう夏になったというのに。
雨は名残惜しげに降り続ける。
明日にはからからと日が照って、
水たまりを干からびさせるだろうに。
雨は、まだ生きてるよまだ生きてるよと。

雨は、遠い未来の私を知っているかのように、
雨は、自身の末路を知っている。
炎天下に殺される自らの末路を知っている。
私も殺されるのだろう。
雨を愛した私は。


自由詩Copyright 田園 2012-07-18 14:44:58
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