スロー・ライフ②
信天翁

梅雨の隙間から覗く太陽が
   午後の峠を越したころ
 昼寝をむさぼっている街頭に
黄ない帽子がデッサンされる
   それは それはいとおしい風光だ
そして 宿題をいっとき忘れているのか
    金属音の談笑を巻き散らす
道草の平安とは このことを云うのだろう
(自分にも黒い帽子に黒いランドセル姿が
        往時は確かにあったのだ)
それにしても なんということか
おらのよわいを察知した
ターミナルからは 忘れ物なく
下車を促すアナウンスが 
絶え間なく 執拗に 響くとは


自由詩 スロー・ライフ② Copyright 信天翁 2012-07-16 20:38:21
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