少年の郷愁
吉岡ペペロ

想い出は夏の汗とともに気化してゆく

ひやされて秋の透明なひかりになる

わたしはひとまず泣いていた

少年の郷愁が空を翔けてゆく

存在の影にだけ風が吹いている


空虚なくらい水色の青空だった

あたためられて熱されて

海のむこうの白い塊が連なりが

地上で起こるべき

なにかのデモ行進のようだった


想い出は夏の汗とともに気化してゆく

ひやされて秋の透明なひかりになる

わたしはひとまず泣いていた

少年の郷愁が空を翔けてゆく

存在の影にだけ風が吹いている








自由詩 少年の郷愁 Copyright 吉岡ペペロ 2012-07-16 16:14:15
notebook Home 戻る