風の通り道
吉岡ペペロ

ビルの入口は吹きさらしだった

そこは風の通り道みたいになっていて

息できなくなるくらいの強い風が吹いていた

お弁当を食べたとき

だれにも食べさせたくなくなった

こんなおいしいものに

涙をながすのはぼくだけなんだと

傘はたたまなければ壊れてしまいそうだった

倒されないように立っていると

いつもより姿勢よく立てていた

ぼくのからだは弱っていた

だからいつもよりよけい

風がぼくを支えてくれていることが分かった





自由詩 風の通り道 Copyright 吉岡ペペロ 2012-07-14 19:51:41
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