mokutou-木祷
Neutral

誰かの森の中に寝転んで
陽だまりを浴びて
ただひたすら
夢だけを見ていた

こんなに晴れた日に
目を閉じているのは勿体ないと
この星のささやきが
聞こえた気がした

そろそろ
現実へ
こんなにも長く
蜘蛛の糸

でも
こんなにも優しい日差しに抑えられた
雲の意図

もうすこしだけ

こんなに色鮮やかな花たち
花言葉は自然のサラダボウル
ただそこにあるだけなのに
僕が見ているだけで
語りかけてくる気がする

風が吹く度にうなだれたり騒いだり
色々にしているように見える
きっと人の心もいっしょ

そんな花や草木も
簡単に摘み取られる
人や動物の命とおんなじだと知った時
僕は生まれて初めて
風に帽子をさらわれる悔しさを理解できた

きっといつか実現する気がするんだ
世界中の人と心の安らぎ全てを
共有できる時代

きっともう少しなんだ
誰にも摘まれない、刈り取られない、吹き飛ばされたりしない
枝も、葉も、命も

木漏れ日に手をかざす
手を縁取る僕に流れる光が
昨日より 少しだけ…

きっともう少しなんだ

その時きっと
世界で一番優しい笑顔を
あなたに


自由詩 mokutou-木祷 Copyright Neutral 2012-07-11 13:24:18
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