雑想
月乃助
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあきらめと
家路の疲れがある
・
白い花がさいている
大きすぎるのは 夢と呼んだ
まるくまとまったものは、目的的というらしい
そのどちらにも属さず 取り囲む
現実という密な雑草たち
・
ひどくかけ離れてしまったので、
長いはしごをかける
それによじのぼれば、少し戻れるのかもしれない
まだ、決して遅くないはず
・
河はひろく急で 流れは人を寄せつけない
そこに橋をかける
これでやっと渡れると」安堵するのに
どうしてか
急流に身を投じる姿を もとめたりする
・
岸にやってきた者たちの中には、
なんの苦もなく 白さぎになり
向こう岸へと渡っていく者がいる
私は、なんどもこころみるのに、
どうしてもそれが、
できないでいる
・
・
・
・
・
・