ポイントいりません(絶望していろバーカ)
モリマサ公

トラック/ブルーハーブ「未来は俺らの手の中」




柔らかくて湿り気のある赤ん坊の肌状の空間が薄いグレー。
空の成分について考える。

感覚と距離を体に叩き込む。
意味とかなんて全然わかんなくていい。
俯瞰する自分自身のイメージを何回もシミュレートする。
成功するイメージが重なって確信となる。

「ひよこまめってなんだかかわいいですよね?」
だれかがツイッターの枠のなかのその文章を消した。
良いツイートというものは?
フォロワーのフォロワーと、そのフォロワーの目玉たち一個一個が見つめる現在。
パーソナルコンピューターを覗き込むときの不思議な浮遊感がふんわりと「みんな」を覆う。
輪郭線を失った人類がやわらかくはりつめてどこでもない場所となってく。
夜空は「あれがわたしたちのほんとうの皮膚だよ」になる。
これが歴史というものなのかな?

「絶望していろ バーカ」

壊れた人工衛星が頭上を「ただゆっくりよこぎって」もうだれのものでもない?
真夜中のビニールハウスで電灯がいくつもばかみたいにひかり
その中にいる「ぼくたち」の花はばらばらな角度に咲き乱れる?
すっごい明確な曖昧さにしがみついてる今。
からっぽのバスタブにひびくバラエティ番組の笑い声が果てしなく
限りないグレーな風景のなかを「俺たち」はどこまでも歩いてく。
「そこまでしあわせでないかんじ」がする支配。
「必要以上に絶望すること」によって捏造されてく「傷」の存在。
とっても安全な痛み。

「絶望していろ バーカ」

時間が経過することによって「わたしたち」は日々回復してる。
誰もがその時々の「自分の価値観に忠実だった」ってだけで今はもう全然違う。
モンスターってゆーか得体の知れないなにか「的な」ものとはもう戦う必要は全然無かった。
気負いの無さという中でおしつけない生き方をして謎めいてく一分一秒を大胆にやりすごしたい。
モニター画面からはみだしてくる読み取れないめんどくせーニュアンスとか、もう考えんのやめた。
だれもすでに納得しようだなんておもってないよ。

記憶に明日は無い。
フレームという断片の中で「わたしたち」が漂ってる(笑)
「やさしくかがやいている湖」にだれもが写り込むことができるように。
山の稜線をはさみでなぞって「パードンミー」の声がよこぎる。
車線の向こう岸に「きみたち」がいた。
だれのせいでもないのかもね。
植木鉢の中のクモの巣?
とっても安全な痛み。

いつからこんなふうに「ぼくたち」は歩いてるのかしら。
目覚まし時計が鳴らない朝に太陽がゆらゆらのぼってゆく。
「だれにも会いたくありません」
が画面にぽっつり表示されて。
「ぼくたち」はすでにコミュニケーションをはじめてしまう。


「絶望していろ バーカ」






  


自由詩 ポイントいりません(絶望していろバーカ) Copyright モリマサ公 2012-07-09 01:00:40
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