その日を眠るために
もっぷ

ちょうどよいのが
ティファニーの偽物だった
だから彼女は
それを大切に身に着けていた

彼女は泣かない
代わりにティファニーの偽物が
泣いてくれるから
だから彼女は泣いたことがない

ちょうどよいのが
シュタイフの本物だった
少しだけ背伸びをすれば手に入る

唯一の家族として
いつでも一緒にそのテディと歩いた

ちょうどよいのが
みつからない時
彼女は空に
たずねてみるのだ

あおいでみると不思議なことに
ちょうどよいのが
要らなくなるから

ちょうどよいのが
要らなくなれば
彼女はやっと
眠りにつける

身の程知って眠りにつけば
彼女は彼女の身の上に
とりあえずは
納得できる


自由詩 その日を眠るために Copyright もっぷ 2012-07-06 23:00:18
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