木走り
阿ト理恵


たちまちに走る いわば きみに
余白はない

断片ばかりか
木っ端みじんに インクを塗りながら

やってくる

枝は

そらつかい

ほらつかい

木が森をかくす前に

ふるい根は

なにものでもなく
すべて
だしぬけに

あたたかな息をして










自由詩 木走り Copyright 阿ト理恵 2012-06-25 02:08:11
notebook Home 戻る