午前三時
もっぷ

かなしみの夜だ
風が湿ってきた
知るために
自転車を出した

灯りの白さに
この町の
貧しさを悟る
ほら

あの遠いビル
オレンジ色の
たいそうなこと

燈されている
ゆたかな証しが
せせら笑っているよ

わたしを

小さな町を丸く
一周して
ポッケには
使わなかったコイン

みないふりして
こっそりと確かめた
蹴っ飛ばされた痕
生生しいままに

自販機はまだ生きている

まるでわたしだ

かなしみの夜だ
風が湿ってきた
知るために
自転車を出した
と詩を書いている
夜だ!


自由詩 午前三時 Copyright もっぷ 2012-06-22 03:07:34
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