蚤市の仏像さん
灰泥軽茶
同じ格好した仏像さんが二、三十
指の腹で撫でながら
ひょいっとひとつ持ち上げたら
あぁこのおもさがちょうどよい
ひんやりどくどく
てのひらの中から身体の中へ
巡る巡る
まるでこの仏像さん
生きているようだな
ちょっと離れて見てみると
しゃんとさらに良い
何か語りかけてきそうだけれど
でもそっぽ向いている
あぁ家に持って帰りたい衝動にかられ
いくらかと尋ねれば
五十万、これだったら三万だよと
他の仏像さんを指して勧められたので
すたすた退散
自由詩
蚤市の仏像さん
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灰泥軽茶
2012-06-22 02:05:10
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