骨のあなた
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あなたの骨というものは、果たしてあなたそのものなのでしょうか。
それとも、それはただあなたを指し示していたに過ぎなかったのか。
あなたの肉はひどくあなたに似ていたが、どうもあなたではなかったようです。



あなたの名前はあなたに似ていない。片方は漢字で、片方は人間である。
しかし、異物にしてはしっくり来ていた。似つかわしかったと思う。
私はあなたもあなたの名前も好きだ。



あなたの骨もあなたに似ていない。
しかし、それならどうしてあんなに愛おしかったのか。

 a.骨はあなただった。
 b.私はあなたもあなたの骨も好きだった。

(論理の整合性を求めているところの)私の顔もひどくあなたに似ているが、もちろん私はあなたではない。



私の鏡像と私は似ている。
そしたら、鏡像も私のように辻褄合わせが好きなんだろうか。そんなバカな。

どちらにせよ、あなたを箸でつまむしか出来ない私には、この感触もきっと夢でしかないのだ。


自由詩 骨のあなた Copyright 73 2012-05-05 22:46:49
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