月がとっても青いから
天野茂典

  月がとっても青いから
  鎌倉古道を歩きましょう
  いまはどこでも山は切り崩され
  宅地化されて
  昔の地図がきえかけている
  月がとっても青いから
  懐中電灯もって
  山道を歩きましょう
  ぼくはシャープのウオークマンで
  エアロスミスを聴きながら月の光で
  歩きましょう
  とぎれとぎれの鎌倉古道
  黒い木立に包まれながら
  歴史散歩としゃれましょう
  ぼくの古道は
  七国峠
  八王子みなみ野から 相原までの
  道なき道だ 月の光りが森に
  こぼれて なんともいえない
  情感だ ここに茶屋でもあれば
  なおのこといい
  1192年
  鎌倉幕府がひらかれる
  あれから812年たったいま
  ロマンテックな月の光りを浴びながら
  枯れ葉を踏んであるくのもいい
  当時道は鎌倉に通じていたのだ
  海を背に鎌倉は山に囲まれ
  自然の要害であったのだ
  そんな道の一篇を
  詩のように
  歩いてみたのだ
  バイクじゃなくて

          2004・12・05


  


未詩・独白 月がとっても青いから Copyright 天野茂典 2004-12-06 05:05:53
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