おしゃべり
nonya


いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している

よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている

バイパスを回り込んだ
耳障りの良い嘘を
吐いてしまいそうになって
とりあえず飲み込む

純度の低い水を
溢れさせようとするけれど
そんな誤魔化しで
満たされたことなんてないでしょ?

本当に発したい
言葉は自分の深海の
生臭い暗闇で静かに
対流しているはずなのに

やっぱり君は

いとも簡単に
決壊してしまうんだね

甘ったるい香りのする
言葉の上澄みは
君の醜い起伏を
少し舐めただけで

誰かの非武装地帯にすら
達することもできずに
息絶えるんだよ

きっと




自由詩 おしゃべり Copyright nonya 2012-05-04 10:34:28
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