咲きゆく
砂木

通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける

折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも 明日がある
昨日見ていた夢の 今も夢の中

休み休み 凍えを溶かして
塞ぎこむ朝 小鳥の声に
答える気持ちで 陽射しにまどろみ
行方知れずでも 未確認のままでも

それぞれに枝は芽を持ち 幾度も望む
咲き損ねてもやすらぎに朽ちる
いつかの誓いから何万光年待ち続け
逆らえずに みつめあう空のまた空




自由詩 咲きゆく Copyright 砂木 2012-05-04 09:55:19
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