白と黒
mizunomadoka

二人は夕方になると左岸を歩き
テトラポットの廃棄場で
私を待った

髪が長い白
歩けない黒
私の姿をみとめると
白が車椅子を押して
近づいてくる
胸に水筒を抱いた黒が
おかえりなさい、と言う

私は目をふせて
二人の前を通りすぎる
あの子たちは別の生き物だと
思おうとする

私の地球に生まれなかった
二人
私の後ろを
遅れてついてくる
砂利の音
姉妹
車輪の間隔






自由詩 白と黒 Copyright mizunomadoka 2012-04-28 21:34:12
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