コントロールパッドを
落として目が覚めた
離れても一緒にしようと
きみが買ってきてくれた
オンラインゲーム

薪を売って布を染めて
おそろいの服を着て
親切な騎士の人に馬をもらったり
 ....
あの冬の雪だるまを
冷凍庫から出して
溶かした
新しい夏を迎えるために
全部
捨てようとした
ある町を歩いていたとき
黒いスーツがアスファルトに
うつぶせのまま倒れていた
暑い日だった
私はすこしためらってから話しかけた
「大丈夫ですか?」と紳士的に

だけど返事はなかった

 ....
誰も知らない
メールアドレスの
受信ボタンを
押す

一方向の通信
新芽が風にゆれ
幹を雨がつたい
葉を透明に照らす
枯れ散り重なり舞い
枝は背に雪を積む
折り畳んだ歳月
湿度計の硝子戸
夜を待つ樫材の少年
深海からの蔦漆
穢れない銀の霧吹き
この島の
タルタロスの迷宮

漁船を奪い
流れ着く11人と半神
稜線を重ねた指が
すこしずつ離れていく
外に出て
溺れそうになったとき
つかんだ手

親子みたいに
恋人みたいに
いつかいなくなるんだね
きみも
チクタク
二人は夕方になると左岸を歩き
テトラポットの廃棄場で
私を待った

髪が長い白
歩けない黒
私の姿をみとめると
白が車椅子を押して
近づいてくる
胸に水筒を抱いた黒が
おかえりなさ ....
先日、仕事でね
きみの地元に行ったんだ
左岸通りを歩いていたら
きみの白いのと
黒いバージョンに出会ったよ
そっくりだったから
おどろいてね
きみは
三つ子だったんだね

あなたは ....
木を切り
ツタを編み
手作りの桶で海水を汲み
海を分解する

砂にまみれた
翳す手を開いて
太陽を分解する

人に触れ
体温を奪い
鉄を赤く燃やす

陽が落ち闇の中

手 ....
小粒が回る水面の
鈴木姉妹がかけていく

庭に並べた望遠鏡は虫干しかいと
向かいのジジイが問う
ああそうだよ
ほんなら嵐がくればええなっ!
なぬっ!

たばこ屋の自販機の影で
子供 ....
重力がはがれ
赤く染まった朝
彗星を固定したまま
防衛システムから
重水素の光が抜けていく
ほら、鉱石の
チューリップが砕けるよ
会いにいけば会える人に
会わないまま人生は終わる

会いたいのに

どうしてそんなことに
なるんだろう


家に帰ると
種をとる用に買っておいた
300円のトマトを
流しの前で ....
きみの手に
粘菌がついてるよ
銀河は渡らずに
ぼくの手で
拭けばいいよ
リキッドファンデーションの彼方へ
そんなにたくさん持ってて
歩けるの

私はあなたの秘密
平気だから

エリザベスを飲みましょう

ミサイルでもロケットでも
なんでもいいから
私をつれていって

光の塔
グー ....
散らかった部屋に磁石を投げ
ロープで手繰り寄せると
首の長い釘が引っついてくる
片付けないでと張り紙された
思春期の部屋
鍵のかわりに挟まれた紙片を
慎重に戻し
スリッパを履く母親

 ....
残りの寿命と引換に
アメリカの大統領になれるとしたら?

そんなのは馬鹿げたことだよって笑う
きみはずっと
健康的だって思うけど

答えを知らないから
手を上げるね

無鉄砲で
 ....
母は肉体と魂が徐々に離れていくものだと言った
こうして話をしているときにも
食事をしているあいだにも
離れていくのだと

だから私たち姉妹は
祈りはそれを遅らせるものだと思っていた
不思 ....
花火に行った
明るいうちに待ち合わせをして、商店街を歩いた
明日のお祭りの準備をする人たち
今夜の花火の場所とりをする人たち
古本屋に寄ってみる私たち
数百の単様な飾り

「シーモア序章 ....
エンジンを切り 翼を風にのせた
吸気口を閉じて
機体を上昇気流に入れる

サンドウィッチを
縦に食べるような奴だった
トマトを抜いて・・

昔よくこうして飛んだよな と
風防が揺れる ....
地元に帰る電車で
プロポーズの言葉を考えていた
別れた恋人への第一声に
ふさわしくないことは分かってる
でも
一番伝えたいことから話したかった
真実だけを話したかった
やっと会えるのに
 ....
遅咲きの桜に腰かけて
非難の視線を浴びながら
枝を揺すって花を散らせた
早咲きになりたいって
私が私だけで不足なら
別のなにかで補うしかない
熟成するバーボンのように
人が報われる話を書きたい
できれば死後ではなく
生きてる間に
池の彫像が凍り
ダイアモンドの降る夜
人々は平等に薔薇を持ち
生と死にかわり
玄関前に立っている

その問いに
正しく答えることはできない
そのまま立ち去ることも
できない


 ....
鉄塔と鉄塔をつなぐ電線を数えた
ゴゴゴゴと風の音がして
雨粒が駐車場に落ちてきた
小走りになる新しいひとたちを
縦に迎えながら
紫の雲は硬く流れずにいた
あなたの回線の端に立って
一生終わりそうにない
ダウンロードをしてる
モールの画材屋で
ホルベインの水彩セットを買った
施設に行くと
祖母は食堂のテーブルで
ニンニクの皮を剥いていた
お誕生日おめでとう
リボンをつけた木箱を渡すと
高かったでしょう?10万 ....
水の流れる壁に
透けて見えるのは
彼らが存在していないからだ
ネコの耳をした少女が
暗闇の中を近づいてくる
いつも裏目に裏目に
出る

よく来たわね
オートマータが怖かったでしょう? ....
休日になると見えるようになる世界で
人々は自分の身体を機械化していった
もっと生きられるように
もっと自由でいられるように
意識を電脳に移し、命を共有して、
孤絶した

生者の世界の生者 ....
mizunomadoka(541)
タイトル カテゴリ Point 日付
wedding自由詩212/5/2 21:55
my collection自由詩112/5/2 21:32
伊藤氏の幻想自由詩112/5/1 21:45
mail to自由詩012/4/30 23:04
wisp自由詩212/4/30 22:47
citadel自由詩112/4/29 20:50
自由詩112/4/29 20:13
白と黒自由詩212/4/28 21:34
retrial自由詩012/4/28 15:02
原初自由詩212/4/26 22:00
クーラーがない自由詩112/4/26 21:40
ruin自由詩212/4/25 23:13
40人くらいに自由詩512/4/25 0:32
渡らず川自由詩012/4/23 23:08
thanks liquor自由詩012/4/23 22:50
秘密自由詩112/4/23 0:39
suit yourself自由詩112/4/22 21:18
Jes自由詩712/4/21 11:20
past away自由詩112/4/18 20:54
funeral sky自由詩512/4/15 20:07
rails自由詩212/4/15 19:40
spring fairy tale自由詩112/4/14 18:13
old barrel自由詩012/4/14 17:55
uphill road自由詩212/4/14 17:35
問いかけ自由詩512/4/10 22:58
13自由詩112/4/10 18:12
circuit自由詩212/4/9 19:24
四水園自由詩612/4/8 17:35
killing自由詩112/4/8 17:19
微熱自由詩112/4/8 14:23

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