マロニエの花が告げる
吉岡ペペロ

マロニエ、日本名はトチノキ。

やや崩れた大きめのは葉が木陰をつくっている。

その昔ビール工場に涼をつくるため、マロニエが選ばれて植えられたのだそうだ。

ビアガーデンにマロニエが植えられているのは、これに由来しているのだという。

ミュンヘンは昨日から天気予報どおりの快晴だ。

5月を待たずにマロニエの花が、街道に白をちらつかせている。

この国にも桜並木はあった。

ところがそれには存在感がなかった。

その理由が分かるような気がした。

マロニエの花のせいだろう。

この花が散ってしまえば街は、緑一色になる。

マロニエの花が告げるのだ。





自由詩 マロニエの花が告げる Copyright 吉岡ペペロ 2012-04-28 19:04:39
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