マロニエの花が告げる
吉岡ペペロ
マロニエ、日本名はトチノキ。
やや崩れた大きめのは葉が木陰をつくっている。
その昔ビール工場に涼をつくるため、マロニエが選ばれて植えられたのだそうだ。
ビアガーデンにマロニエが植えられているのは、これに由来しているのだという。
ミュンヘンは昨日から天気予報どおりの快晴だ。
5月を待たずにマロニエの花が、街道に白をちらつかせている。
この国にも桜並木はあった。
ところがそれには存在感がなかった。
その理由が分かるような気がした。
マロニエの花のせいだろう。
この花が散ってしまえば街は、緑一色になる。
マロニエの花が告げるのだ。