窓を開けて
nonya


わだかまりの小石を
ランゲルハンス島の砂浜に
捨てたところで
塩辛いもやもやは
寄せては返す

しがらみから逃れようと
前頭連合野の深い森を
彷徨ったところで
粘っこいもやもやは
何処までも糸をひく

窓を開けよう
風を入れよう

わだかまりもしがらみも
風にたなびかせて
細胞の津々浦々まで
風にさらして

窓を開けよう
風を入れよう

アドレナリンがさざめいて
ミトコンドリアがカランと鳴って
自分の中の生温かい黒が
少しだけ透き通ったら

そこから
何かを始めてみよう




自由詩 窓を開けて Copyright nonya 2012-04-28 16:03:26
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