美しい朝
そらの珊瑚

長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする

わたしは
よくばりだったのだろう

長かった夜が明ける
昏い空に
ひとすじのひかりの横糸が張られたのを合図にして
朝がくる
とてつもなく
美しい朝がやってくるのを
予感して
心が満たされ
細胞膜の皺が伸ばされていく
それだけで
充分じゃないか
嗚呼
なんと長いこと
わたしは
むやみに
睡っていたのだろう
天からつるされた縦糸にぶらさがるようにして



自由詩 美しい朝 Copyright そらの珊瑚 2012-04-07 08:44:46
notebook Home 戻る