あおい国 2
壮佑
巡り来る日々と
ぼくらの幼い憧れとの隙間から
木洩れ日のように降り注ぐ光
聴こえて来るだろう?
光の後ろ側の国から
あの/弾む息が
リズミカルなステップが/
国境線で
少女がなわ跳びしている
/あや跳び
迷子になった憧れの名を呼び
鉛色の夜に吐くぼくらのため息を
サファイア色の星に変えて
こうさ跳び/
星は夜明けの空へ溶けて行き
朝霧に覆われた海を晴らす風になって
千の歌声と共に還って来る
/かけ跳び
昼の都市を駆け抜ける風の歌
千の言葉の中から 憧れの名を聴き分けた時
ぼくらは遂に はぐれた憧れと巡り会う
はやぶさ!/
憧れは美しい夕星の花嫁に変わり
ぼくらはあおい影を持つ青年になって
花嫁に被せる ラベンダーの花冠
/ふたり跳び
さあ 二人でなわの片方を持ち合って
一緒に跳ぼう 国境線を越えるんだ
未生からの約束の地 あおい国へ
(少女がクスクス笑って祝福している)
ぼくはいつも
あおい国を探している
国境線で
少女がなわ跳びしている国だ