美しい経済のために、私たちが考えるべきこと。
小川 葉



なぜ東電やNHKや公務員改革がすぐにできないのかと言えば、そこにぶら下がってる人たちが、右肩上がりを前提にした、高額な不動産の購入はじめとした資産を、すでに借金として購入してしまってるから。それらが突然断ち切られると、日本経済が混乱する。

かつてのダイエーみたいに、潰すには大きすぎるという論理。それを電気代値上げ、受信料の厳格化、増税などで、保守しようとしてるということ。だから公務員の若者の採用を減らし、すでに借金してしまってる現職公務員を守らなければならないという、今はそんな状況ですと、なぜ言わないのだろう。そこからはじめて、議論がはじまるはずなのにね。

東電の給料を半分にしろ、とは誰でも言えることです。しかし東電社員の収入が半分になって困るのは、意外なことに、彼らではなく、私たちでもあるのです。例えばあなたのお父さんが、マンションデベロッパー企業に勤務してるとして、東電社員に、仮に一億円のマンションを売っていたとします。ここまで話して、この度のことになって、ああ、売るんじゃなかった!と思うのが、あなたのお父さんです。またその会社には、建築会社をはじめとした、たくさんの末端までぶら下がってる会社や人たちもいます。当の東電社員は、まあこうゆうことだから、お互い我慢しましょう、電気なければ、お互い生きてけませんからね、と、圧力をかけられたならば、本当に困るのは、当人よりも、そこにぶら下がってるたくさんの会社や人たちです。

まあ、今はそんな状況なのですが、反省として、ひとつ言えることは、もう右肩上がりを前提とした、借金でものを買うことはもうやめましょう、です。右肩なんか、この国ももう若くないのだから、私もそうですが、40すぎたら四十肩です。いつまでも若くないのだから、私はなんでも現金で買うことにしました。実に当たり前のことです。それが当たり前ではなかった、かつての高度経済成長、バブル、それらがはじけてもなお、私たちは未来の私たちに投資し続け、借金し、自ら自分たちの未来を蝕んできたのです。

それらはやがてカオスとなり、格差社会になったりして、もう何が何だかわかりません。今がまさにそんな状況です。なぜこんなことになったのかといえば、右肩上がりを前提として借金してきたからです。かつてお金持ちの人も貧乏な人も、手持ちの現金でやり取りしていたからこそ、経済は安定していたのです。経済とは、経世済民の略です。というわけで、以上です。

最後に。
シンプルに言えば、二十世紀は借金の時代。二十一世紀は現金の時代。いや現金よりも、美しい経済があるならば、それにこしたことはないのです。



散文(批評随筆小説等) 美しい経済のために、私たちが考えるべきこと。 Copyright 小川 葉 2012-03-28 22:36:24
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