梅林
……とある蛙

二人で歩く梅林は
さくら咲く前 城跡の
猫に導かれて 迷い道
そこだけ陽射しが春めいている

その梅林に入る前
道端を歩く猫を見つけ
その痩せた背を撫で、餌をやり、
猫の道辿り 梅林へ

紅(くれない)や白
枝に咲いている花の下
ゆったり歩いて花見上げ
随分と長いと
本当に長い二人の歩み
梅の花の微かな香りに包まれて
まだ今少し続くのだと
お互い気づき 足を止める。

紅梅に白梅
随分と遅咲きの梅の花は
さくらの季節に何を想うのだろう
梅林にしばし佇み二人で語る
昔の花を 今の花を


自由詩 梅林 Copyright ……とある蛙 2012-03-27 11:11:48
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