サラダの女王現る現る
ブルース瀬戸内

はじめまして。クイーンサラダです。
女王ですよ。クイーン言われてます。

護衛はいません。屈強な女王ですし。
ジャングル生まれ、サラダバー育ち。
すごいですよ。それはもう。マジで。
トングがえげつないことになるから。
トングに生まれてこなきゃよかった、
てトングが思うくらいにえげつない。
トングありきで話してますけどもね。

やれ大根だ、人参だ、マメだ、てね
ことサラダのことになると興奮して
やれサニーレタスだ、豆腐だ、とか
やれシーチキンだ、魚介なんだとか
興奮してね。こっちが興奮しちゃう。

みんなね、意味分からんて言います。
私も分かりませんわよ。意味だけは。
それは私のクイーンの部分が弾けて
弾けきって露になった核心の部分が
それを求めとるんですよ。100%。
そんな補足説明もよぉ分からんけど。

でもね、サラダなんです。ほんまに。
我々の前後にメインディッシュがね
我が物顔でやってくるんですからね。
そりゃね、負けたくない。勝ちたい。
「今日は結局サラダやったな」とか
言わせてみたいですよ。食べた人に。
身分不相応や、て言われてもですよ、
矜持があるんですよ、サラダにもね。
「葉物のショータイムやな」なんて
少し揶揄された感じに言われたって
それはそれで我々は嬉しいんだから。

クイーンとしての職責を果たします。
そう宣言しますよ。今ここに確かに。
「あのサラダで人生変わったよな」
「お前最近サラダサラダしとるな」
そんなこと言わせてみたい。言って。
それではまたの日を。サラダバダー。


自由詩 サラダの女王現る現る Copyright ブルース瀬戸内 2012-03-24 03:22:30
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