遠くで点滴を打ちながら
花形新次

不摂生を続けた日々が
まるで罰のように
四十男の肉体と心を
蝕むその日まで
食い続けよう
遠くで点滴を打ちながら
何も症状がなかったとしても

俺を見捨てた医者を
憎んで生きるより
メタボの身体に蓄えた
虚しい脂肪の捨て場所を
探してみたい
遠くで点滴を打ちながら
何も症状がなかったとしても

せめて
一食だけでもと
食べて食べ明かして
自分の食欲に嘘はつくまい
医者を信じるまい

「あんた、このままじゃ死ぬよ!」

生きて行きたい
遠くで点滴を打ちながら
何も症状がなかったとしても


自由詩 遠くで点滴を打ちながら Copyright 花形新次 2012-03-20 20:31:15
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