長いすべりだい
そらの珊瑚

森林公園のなかに
それはそれは
長いすべりだいがあった

ゆるい
傾斜のそれは
すべると
ローラーが
カラカラと音をたてて
人をすべらせていく

ゆっくりと
ゆっくりと


 夜になったら
 子ねずみが出てきて
 すべるんだよ
 そして
 おしりをむずむずさせてるんだよ
 子ぎつねも
 子だぬきも
 すべるんだよ


幼子と一緒に
何どもすべった
あの場所に
も少ししたら
桜が咲くことだろう

長いすべりだい
すべってみたら
あっという間だったね

自分ですべっているようでも
実は
あのローラーに
導かれているだけだった

導かれて
やがて
終点につく
そこからが
ほんとうの
すべりだいの始まり
まずは
階段を上ることから

卒業おめでとう



自由詩 長いすべりだい Copyright そらの珊瑚 2012-03-18 11:28:58
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