気楽
まーつん

まるで自分が 他人みたいだ
マネキンみたいに 温もりがない四肢
片足でポーズをとり続けたせいか 右足首に亀裂が入っている
駅ビルの外向かいに面した デパートのショーウィンドーの中で

丸一日 立ち尽くしていたんだ
魚の群れみたいに
あっちに行ったり こっちに来たりする 人の流れを眺めて

気付いたんだが 人形でいる方が 楽みたいだ
自分の意思なんて 持たなくていい
水の流れに逆らって 川を上ろうとしてなんになる?
俺は 流されるごみ屑でいいよ
物事の 原因になんかなりたくない
周りの風向きに振り回される 枯葉の一枚みたいな存在でいる方が



気楽なのさ


自由詩 気楽 Copyright まーつん 2012-03-09 23:21:16
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