退屈
ブロッコリーマン

ある日わたしの脳の真横にロボットの大群が押し寄せて、
今よりずっと透明に考えられるようになる。

脳の真横に訪れた、ロボットの大群はいつのまにか、
脳の内側に入って、はげしく金属音を鳴らすけれど、
なぜかわたしはそれを、やかましいとは思わないのだ。

今よりずっと、世界の境界は曖昧になっている。
今よりずっと、自由の苦しみに満ち溢れている。
今よりずっと未来の話だ、
そしてそれゆえに、ずっと過去の話でもあるはずだ。

わたしは1400メートルの、湖の底を思う
地球でもっとも古い湖、
あるいは最後に残った古い海。

ずっと透明な水のむこうに、無数の鉄くずが見えるのだ
それは昔あるいは未来にわたしだったのだ


自由詩 退屈 Copyright ブロッコリーマン 2012-03-07 01:53:34
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