仲良ししていよう
竜門勇気


嘘でぼくを好きといった人にも
嘘でぼくを嫌いといった人にも
ありがとうといった

世界の中で生きている人には
嬉しいことがあるんだと思った
ぼくは世界の外にいるから
お前らとは違うんだ きっと

淋しい土の下
やっぱりそこは
一人の世界かい?
犬はうつ伏せ
猫はうつむき
土の上でも一人の世界

本当にぼくを好きになってくれた人にも
本当にぼくを心配してくれた人にも
ゴミクズ以下の嘘つき野郎と笑って忘れてった

人にはそれぞれ自由な意思があって
好きな場所へ転げていく
舐められてるぐらいでいいんだ
頭を下げたフリをする
頭を下げられたと勘違いして
精々えばり腐ってろ

寂しい土の下
やっぱりぼくもそこに行くみたい
ぼくはうつむき
背景は焦げ付く
土に変わるまでの猶予を売りさばく

怒りを誰かにぶつける時 怒号を放つ時
それはその誰かにある静かな夜
後ろから殴り殺される未来へ道を作る時だ
だからぼくは
その誰かを殺す覚悟ができた時だけそうしようと思う
ぼくが怒号を放つ時
ぼくは誰かを殺す覚悟を決めてるのさ

淋しい土 悲しい夜
不愉快はつのるけど
絶望は癒えないけど
結末はそれぞれだけど
結末の向こうは
みんな同じ場所へ行くんだ
フリでもいいんだ
嘘でもいいんだ
殺さないように
殺されないように
仲良ししていよう
自覚して愚かでいよう


自由詩 仲良ししていよう Copyright 竜門勇気 2012-03-06 03:33:24
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