きっと私は一生報われない場所で生きて行く
中山 マキ





薄汚い五日市街道沿いの喫茶店
張り付きの所在を確かめるように
室外と室内の温度差をなぞる

生き甲斐を忘れてしまうと
途端に人は年齢差を失うもので
将棋について熱く語り合う老人たちよりも
私はいつの間にか老けてしまっている

こんな日はつまらないと思う
どんなことにも目を閉じることに
後ろめたさも無くなった

可能なら容赦なく後頭部を思いっきり蹴りあげて欲しい
そういう他力本願さに必要以上に期待する場所
冷めた珈琲と味のしないチーズケーキをお供に
きっと私は一生報われない場所で生きて行く

だからどうということもないのだよ
あなたの温もりを感じようとも
ただただ、ひたすら無性に悲しいという
事実が残るだけのこと


自由詩 きっと私は一生報われない場所で生きて行く Copyright 中山 マキ 2012-03-05 10:33:03
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