柔肌 1・5
……とある蛙

君の素肌に触れた日は
忘れもしない 夕暮れの
 君が十九の秋でした。

僕の心は君だけを
思ひ焦がれて
千々(ちぢ)となり
集めて鈍く燃えたのです。

誰にも言はず
誰にも知れず

躊躇する手をそつと添へ
(僕の手をとり)
そして次第に強く握り絞め
最後はぎうと握り締め

僕は君を抱きしめる
強く強く抱きしめるのです。

君の胸の
小さな突起は潰されて
僕の胸に潰されて
僕はゆつくり君を吸ひ、
舌を絡ませ、愛を吸ひ

僕の手にある あの感触が
するりつるつるのあの感触が
君の素肌の感触が
湿り気を帯び絡み合ひ
ぬめりぬめぬめの感触に
次第次第に埋もれてゆく


自由詩 柔肌 1・5 Copyright ……とある蛙 2012-02-27 13:12:04
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