叶わない


あなたには敵わない



ゆるぎないモノ?
なぁにそれ?

雲みたいに幼く移ろう日々
少女は問う

雲みたいに流れない、ものだよ

かすかな記憶に響く声


やっと意味が解ったよ

苦しいね
哀しいね

けどあったかいね


ゆるぎないモノは、
焦がれて仕方ない感情
永遠に叶わない感情
ただ願うしか出来ない
あの人の幸せ

叶わないモノに興味はないわ
胸を焦がしても
いくら願っても
ただのエゴイズムでしかないわ

なんてどの口が嘯いていたのかしら

叶わないはずの邪魔な感情が
何時しか糧になって

エゴイズムが純粋な願いになって

溶かされて
焦がされて


もうどうすればいいのかしら?

どうしても棄てられないのよ


ゆるぎない枷がもう
ねぇ、外れないの

ゆるぎない糧がもう
ねぇ、暖か過ぎるの

哀しいの
苦しいの

この糧を認めたくないのよ


叶わないゆるぎないモノ抱えて
何処まで歩けるのでしょうか?
焦がれてなくなってしまえば良いのに


矛盾した気持ち抱えたなら
片方を棄てればいいの
どうせ考えるだけ無駄なのだから

なんて何処の誰が口にしたのかしら?

矛盾、矛盾、棄てられない
認めたくない

哀しいの
暖かいの
叶わないの
願ってるの

本当なのよ…
認めたくないの
けどこの言葉が出るのは
きっと奥底で認めてる自分がいるの



嗚呼、何時までもかなわない、あなたが




世界の全てよりも愛しいのです


自由詩 Copyright  2012-02-21 02:20:02
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