蛇水愛
るるりら
蛇水愛
それは
愛の けはいに 水をさすこと
プリーズ
という声が聞えた気がして
ヘルプ
だったかもしれない
ありがとうを
ありがとうの意味のままに ありがとうと
チョコレート色にしてゆく
少女から女性にかわろうとしている うしろ姿
わたしは ごめんなさいを
ごめんなさいの意味のままに
つかいたいたくても
なぜだか 上手に つかえなくなった
わたしの プリーズは 黙ろう
ヘルプ も
黙ろう
真珠のイミテーションを
蛇口のところに 近づけ
水に あてる
イミテーションに
水をくわえれば
命になるというわけではないけれど
イミテーションの上に
水がすべり
螺鈿の螺旋になって落ちてゆく
それはまるで命のよう
人の造った装飾は 乱暴にあつかっても
わたしに やさくして
姉妹のうしろ姿
肩甲骨の尖がりが 綺麗に動いて
チョコを混ぜる
香にむせる
あ なにか 羽ばたく
かわいた わたし と
おどりながら チョコの中にいる少女のような
天使のような その 綺麗に笑顔は何?
そのチョコへの思いのことを
邪推というの?
水の中で つくりものの真珠は 踊るばかり
本当とか 探すことを
邪推というの?
ねぇ チョコって ちょっぴり大人?
それとも?
蛇口の水の下で
人工真珠がゆれるばかり