蛇水愛
るるりら

蛇水愛
それは
愛の けはいに 水をさすこと

プリーズ
という声が聞えた気がして
ヘルプ
だったかもしれない


ありがとうを
ありがとうの意味のままに ありがとうと 
チョコレート色にしてゆく 
少女から女性にかわろうとしている うしろ姿
わたしは ごめんなさいを
ごめんなさいの意味のままに
つかいたいたくても 
なぜだか 上手に つかえなくなった 
わたしの プリーズは 黙ろう
ヘルプ も
黙ろう

真珠のイミテーションを
蛇口のところに 近づけ
水に あてる
イミテーションに
水をくわえれば
命になるというわけではないけれど
イミテーションの上に
水がすべり
螺鈿の螺旋になって落ちてゆく
それはまるで命のよう
人の造った装飾は 乱暴にあつかっても
わたしに やさくして


姉妹のうしろ姿
肩甲骨の尖がりが 綺麗に動いて
チョコを混ぜる
香にむせる
あ なにか 羽ばたく 

かわいた わたし  と
おどりながら チョコの中にいる少女のような
天使のような その 綺麗に笑顔は何? 

そのチョコへの思いのことを
邪推というの?
水の中で つくりものの真珠は 踊るばかり
本当とか 探すことを
邪推というの?
ねぇ チョコって ちょっぴり大人?
それとも?

蛇口の水の下で
人工真珠がゆれるばかり


自由詩 蛇水愛 Copyright るるりら 2012-02-14 19:28:31
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