天上の美しき右手
永乃ゆち

ありったけの声で叫んだ二十四時右手で君の首を絞めてた

流星が流れる瞬間掴もうとしてる汚れた右手のままで

君はまだ知らなくていい今触れた右手に角が生えてる事を

利き手なら左手ですが泣きながら矯正された記憶を持って

つやつやのこれからの人を抱くのにはこの手はずいぶん泥にまみれて

君の頬叩いた右手と叩かれた君の頬ならどちらが痛い?

無意識に太陽光を遮って右手は朽ちる影も残さず

雨上がり百合を手折った右手には愛した君の余韻も残らず

柔らかな夢だとしても美しい人よ静かに右手に触れて

灰色の僕の右手に君がキスするたび生まれ変われる心


短歌 天上の美しき右手 Copyright 永乃ゆち 2012-02-11 18:30:37
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