タクト
清風三日月

ある日、君が…
『編み物始める♪』
と言い出した。

手先が器用で
細かい作業が得意な…
君に期待をしつつ
飽きっぽい君に…
3日でやめるかな?
と不安もあったよ。

だけど君は…
やめなかったね
それどころか…
どんどんのめり込み
どんどん上手くなった
言葉にはしなかったけどね
独学で頑張る君に
感心してたよ
すごいなぁ!って
思ってたんだ。

最初は1本の鍵針で
ゆっくり編んでいたのに
気付けば2本の…
編み棒を巧みに使い
すいすい編んでいた。

まるで指揮者の振る
タクトの様に
規則正しく…
君のリズムに合わせて
振られる編み棒
そして…
タクトに合わせて
形になっていくマフラー

君は今も…
編み物頑張っていますか?

寒い日が続きますが
僕は暖かく過ごせています。

痩せ我慢で薄着して
首には君の作った…
世界にたった一つの
グレーのマフラー♪
君の編み姿を…
思い出しては…
タクトに合わせて…
僕の心も踊り出す。


自由詩 タクト Copyright 清風三日月 2012-02-07 16:45:17
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