秋の輪郭
空丸ゆらぎ

先走った靴が ぼくを置き去りにし
真剣な顔で ぽっかり浮かんでいる雲
始発に乗りました
知っているのはそれだけです

一人今日に留まり
呼吸に委ねる
凍りついた世界に 小さな穴をあけ
釣り糸をゆっくり垂らす

五時の鐘が鳴り
立ち止まったのは風の方かもしれない
囁きが街に広がる
街路樹はあそこまで続いています

月明かりは私をぼんやり照らします
晩秋と初冬の狭間で
少し遠回りをして家に帰る
輪郭をなぞるように


自由詩 秋の輪郭 Copyright 空丸ゆらぎ 2012-02-04 13:56:38
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