C'm'on
榊 慧

「蓮根って変な植物だね。」
「…確かにそうかもね。」

「俺さあ、美容室のなんか、ヘアーモデル?の以来きたんだけどさあ。髪染めるのが嫌過ぎて断っちゃった。」
「バージンヘアだもんね」
「俺黒い髪がすきなんだよ」
「自画自賛かよトー」
「だってどう考えても俺、茶髪とか金髪似合わねーもん」
「…そうだね。なんかそうなったら気持ち悪いね。」
「だろ。」

理屈ばかりが多くなって諸君を退屈せしめたのは不本意であった。この埋め合わせをしたいと思っている。
「行くかよばか。謝ったら許すけど。」
「確かにトーはあれ、何も悪くないもんね。」
「うん。」

すぐれた人との出会いによってその学問の方向づけを導かれているようにみえる。
「俺だれにも言われずに終わって誰にも言われずに考えたけどなあ」
「トーはふらんふらんしてるように見えるらしいよ。」
「え、心外」
「なんか危なっかしいんじゃない?」
「なんも危なくないし。」

「合法ハーブって楽しいのかなあ」
「やるの?」
「いや高かったあれ。」
「そりゃあね」
「一人でやって楽しいのかなあれ。」
「知らないよしたことないもん。」
「キメセク?って何?どこかに書いてあったんだけど。」
「…ハーブとかドラックやってキメてセックスすることだよ。」
「へー気持ちわる。何がいいのそれ。」

「漢検二級はわりとすんなり受かれたし勉強もできたけど準一級てどえらい難しいな」
「受けるの?」
「自信が無い普通に。」
「…。」

「俺きっと運がわるいんだ。だから何も来ない。」
「カモン!とか言ってみたら。」
「C'm'on Let's go.」
「…」
「何も来ねえよ。」
「自分でやってけってことだよ」
「俺真面目だしなあ。」
「…」


散文(批評随筆小説等) C'm'on Copyright 榊 慧 2012-02-03 19:35:37
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