『とがらせろ』
あおい満月

とがらせろ
とがらせろ
ながれのすべてを
とがらせろ

握りしめた力が
入水した紙粘土のように
ゆるゆるととけていく

鍵をかけられた小さな揺れが
朝が来るように遠ざかる

それでもわたしは、
仔犬のように
とがらせろ
とがらせろと
慟哭する

くらしをとるか
しをとるか

世界は有限を知っているのに
求める先の何を知るのか

うみにゆられながら
わたしは、
欲するものの
背に影となる

とがらせろ
とがらせろ
となきながら



二〇一二年二月一日(水)


自由詩 『とがらせろ』 Copyright あおい満月 2012-02-02 21:58:09
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